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春の青々とした麦畑の先に、
煉瓦造りの煙突と大きな薪棚がある家が見えてきます。

2026年3月5日。
50歳の誕生日のその日、加須市志多見にある自宅に薪窯のパン屋をオープンしたのは「ぱんのいえ かむ」の店主、工藤昌(あき)さんです。
今回は昌さんのパン屋開店までのストーリーと彼女の焼くパン達のお話をご紹介します。
結婚したばかりの昌さんが見つけたのが1万円のホームベーカリーでした。
※ホームベーカリーとは小麦粉、水、イーストを入れてスイッチを押すと自動でパンが作れる調理家電。
当時の昌さんにとって、1万円という金額はとても高価なものでした。
「夫に相談したら、そんなの要らないのひと言で…」
けれども、昌さんは諦めきれずなんとか旦那さんを説得して購入にこぎつけます。
なぜ、それほどまでに?
昌さんは幼い頃、友達のお母さんが焼いて出してくれたフロランタン(クッキー生地にナッツが乗った焼き菓子)が衝撃的な美味しさで、自分もこんなお菓子やパンを作って家族を喜ばせたいと思ったからだそうです。
そして、ホームベーカリーを手にした昌さんは、家庭で簡単にパンが作れる喜びを味わいます。
中力粉やきな粉などを利用して如何にリーズナブルにパンを作れるかに夢中になったそうです。
家族にも手作りのパンをたくさん振る舞いました。
(後日談ですが、旦那様は当時のパンはあまり美味しくなかったのだとか…)
そして、さらに美味しく作るにはと探究心が開花して、発酵まではホームベーカリーで行い、自分で成形し、いよいよオーブンで焼くことを始めます。
そうなると、もっと様々な種類のパンを焼いてみたいと思い、パン教室に通い始めました。
市販のイーストだけでなく、ホシノ酵母などの天然酵母でもパンを焼くようになります。

ぱんのいえ かむの薪窯に並ぶパン。
最初は個人店でパンの販売を、そして、次に勤めたチェーン店ではパン作りの各工程を仕事にすることになりました。
大型オーブン、捏ね機、発酵機、たくさんのパンのレシピ…すべてが新鮮で、仕事が終わり帰宅すると、パン作りの復習をする日々が続きました。
しかし、何故か昌さんの心は次第に擦り減っていきます。
「販売担当の日、朝一番の仕事は前日に自分が作った売れ残りのパンを廃棄すること。
…パンはたくさんの種類と量を作り、買い手が常に選べる状態でなければ、売れないので…。」
小麦を作る農家、製粉、物流、酪農、様々な人の想いが繋がって、最後に作り手が気持ちを込めてパンを焼く。
そんなパンをゴミ袋にぎゅうぎゅうに詰める作業は、パン作りが大好きな昌さんにとって、とても残酷なことだったのです。

「ぱんのいえ かむ」で焼き上がったパン達。
パン屋を自分でやってみたいけれど、本当にできるのだろうか…借金を抱えてまで開業したいのだろうか…自分の気持ちが本当はどこにあるのか、昌さんは分からなくなっていました。
そんなある日、YouTubeでふと目にとまったのが京都にある薪窯のパン屋の動画でした。
薪割りの仕事から始まったその動画は、薪を焚べて窯を温め、丁寧に仕込まれたパン生地を、一つ一つ薪窯で焼き上げていくというものでした。
まだ暗い明け方、聞こえてくるのは薪がパチパチとはぜる音。
黙々と生地や火加減と向き合うパン職人。
焼き上がったパンを、のんびり里山の景色を見ながら待っていた近所のお客様に手渡し、また次のパンを窯に入れる。
ゆっくりと、丁寧に繊細に。
動画を見終わった後、昌さんの目には涙が溢れていました。
…私がやりたかったことは、これなんだ!

ぱんのいえ かむの薪窯の煙突。
それから全国各地の「薪窯のパン屋」の情報収集をするようになった昌さんが辿り着いたのが、
広島にあるパン屋「ブーランジェリー・ドリアン」の店主、田村陽至さんの『捨てないパン屋』という本でした。
田村さんは、消費者目線での大量生産や店舗営業の考え方を改め、人間本来の豊かな生活に立ち返り、薪窯で限られた種類のパンを丁寧に焼いて、廃棄しないパン屋を大成功させていました。
昌さんは、点と点が繋がり一つの線になったのを直感します。
そして、田村さんが開講していたドリアンパン学校に出願し、入学課題を提出しました。
「ここに受からなかったらパン屋の夢は諦める覚悟でした。」
そんな想いが実ってか、見事、ドリアンパン学校に合格し、パン作りやそこから派生する東洋医学、パン屋開業へのコーチングなど、学びの時間が始まりました。

ドリアンパン学校の研修中に仲間達と焼いたパン。
それは、現在、ぱんのいえ かむの全てのパンに使われている「サワードウ」という発酵種です。
「実はパン作りは大好きだけど、甘いパンを食べるのは苦手で、パンよりお米の方が好きだったんです。」
パン屋開業への気持ちが膨らむ一方で、自分の苦手なパンを売ることへの疑問や葛藤もあったという昌さん。
しかし、そのモヤモヤとした気持ちは、サワードウで作ったパンを食べてから、その魅力や美味しさで一気に晴れ渡ります。
「このパンなら自信を持ってお客様に美味しいパンだと勧められる!」

ぱんのいえ かむのパンはドリアンパン学校から受け継いだサワードウで焼かれている。
世界最古の酵母とも言われているサワードウは、小麦と水、そしてその土地に元々ある乳酸菌等から作られるとてもシンプルな酵母です。
少し酸味があるパンになるのも特徴で、乳酸菌の力で冷蔵で1ヶ月も日持ちし、焼き立てより、1〜2週間後の方が味わい深くなるのも驚きです。
添加物や保存料が何も入っていないのに、乳酸菌の力でこれ程まで保存が効くのは、
古代からヨーロッパでは、パンは日常の保存食として扱われていた経緯にも繋がっているのでしょう。
また乳酸菌は、腸内環境改善や、グルテン分解、ミネラル吸収を高める働きもあり、
老化防止やグルテンに敏感な方にもうってつけのパンなのです。

パンの他にサワードウを使って焼かれたスコーンも人気。
慣れない助成金の申請や工事会社さんとの打ち合わせ等やる事は盛り沢山にあったものの、
自宅にお店を作ることを決めてからは、ものづくりが好きな旦那様の力も借りて、夫婦でこつこつ日曜大工を始めました。

ウッドデッキを夫婦で解体し薪窯を作る準備。

夫婦ではった芝生も剥がしていきます。
改装工事に終わりが見えた頃から、工房の最重要ポイントである、薪窯作りが始まりました。
限られた予算の中、煉瓦の値段も高騰していて頭を抱えましたが、縁あって陶芸教室の使わなくなった穴窯煉瓦を譲り受けることになりました。

解体前の陶芸教室の穴窯。

昌さん達が解体し、陶器からパンを焼く役割に生まれ変わる前の煉瓦達。
そして、夫婦で煉瓦を積む作業が始まりました。

煉瓦を切る昌さん。

なんと、薪窯の設計は旦那様♪

アーチがうまくいかず作り直すことに…。
小さなピザ窯を作ったことはありましたが、その何倍もの大きさの薪窯づくりは、一筋縄ではいかないことも沢山あったそうです。
けれども夫婦で試行錯誤しながら、暑い日も寒い日もこつこつ作業を進めていきました。

完成が見えてきた!?
そして、2025年の夏から始まった薪窯作りは、
2026年1月1日、ついに完成しました。

向き合う度に「素直に」応えてくれる薪窯。愛称は「すーちゃん」。
卵が塗られたつるっと滑らかなパンとは違い、手触りはザラザラごつごつ。
ひと噛みで飲み込める柔らかいパンとは違い、しっかり奥歯で何度も噛まなければなりません。
乳酸菌の影響で酸味を感じるパンがほとんどで、
普段、スーパーやコンビニの菓子パンや惣菜パンを食べ慣れている方が口にすると、少し戸惑うかもしれません。
しかし、昌さんのパンは、国産の小麦粉が贅沢に使われ、芳ばしく焼かれたクラストは噛めば噛むほど味わい深く、口の中で小麦の旨味が溢れてきます。
ゆっくりと、ずっと味わって噛んでいたくなるのです。食べていてこんなに楽しいパンは他に無いでしょう。
そして最後に、棘のない優しい味わいが広がり、身体が綻んでいくのを感じるのです。

ぱんのいえ かむの屋号は、しっかりと「噛む」ことで味わってほしいとの想いから名付けられた。
添加物や保存料は入っておらず、サワードウの乳酸菌パワーで身体にとても良く、
何より毎日食べても飽きが来ない、正に主食となる食事パンなのです。
「かむのパンを買いに来る前に、パンに合うスープを仕込んできたというお客様もいました♪」
また、昌さんのパンは単体でも味わい深いですが、様々な食材と合わせることで、一段と魅力的になるのも特徴です。

お店のInstagramではパンの美味しい食べ方を紹介している。こちらはロブロ。

カンパーニュとビーツやハムのサンド。

レザンとチーズの組み合わせ。お客様が教えてくれたカリカリトーストに。
現在は月に数回の予約販売でパンを焼き、
ひとりひとりのお客様に丁寧にお渡ししています。
予約方法とメニューはこちらから。
今でも自分の道が心配になったり迷うこともあるという昌さんですが、
お客様がパンと食材との組み合わせや美味しかった食べ方を共有してくれたり、家族でパンを囲んで会話が弾んだと話してくれたり、
かむから旅立ったパン達が、お客様とその先にある豊かな時間を繋いで、またかむに帰って来てくれる、
それが、昌さんの背中を押してくれているのです。
そして何より、いつも近くで昌さんを助けてくれる旦那様が、今の昌さんが焼くパンが一番美味しいと言ってくれるのだそうです。

ぱんのいえ かむの開店日、昌さんと旦那様。
そんな、ぱんのいえ かむのパン。
是非、たくさん方に噛む幸せを味わってほしいです。
=SHOP DATA=
【ぱんのいえ かむ】
店舗住所 〒347-0042 埼玉県加須市志多見1062−3
営業日 主に予約販売(当日販売分は少数)
Instagram https://www.instagram.com/pannoiecome_nicoannsun
煉瓦造りの煙突と大きな薪棚がある家が見えてきます。

2026年3月5日。
50歳の誕生日のその日、加須市志多見にある自宅に薪窯のパン屋をオープンしたのは「ぱんのいえ かむ」の店主、工藤昌(あき)さんです。
今回は昌さんのパン屋開店までのストーリーと彼女の焼くパン達のお話をご紹介します。
『パンとの出会い』
昌さんが初めてパンを焼いたのは、今から30年程前のこと。結婚したばかりの昌さんが見つけたのが1万円のホームベーカリーでした。
※ホームベーカリーとは小麦粉、水、イーストを入れてスイッチを押すと自動でパンが作れる調理家電。
当時の昌さんにとって、1万円という金額はとても高価なものでした。
「夫に相談したら、そんなの要らないのひと言で…」
けれども、昌さんは諦めきれずなんとか旦那さんを説得して購入にこぎつけます。
なぜ、それほどまでに?
昌さんは幼い頃、友達のお母さんが焼いて出してくれたフロランタン(クッキー生地にナッツが乗った焼き菓子)が衝撃的な美味しさで、自分もこんなお菓子やパンを作って家族を喜ばせたいと思ったからだそうです。
そして、ホームベーカリーを手にした昌さんは、家庭で簡単にパンが作れる喜びを味わいます。
中力粉やきな粉などを利用して如何にリーズナブルにパンを作れるかに夢中になったそうです。
家族にも手作りのパンをたくさん振る舞いました。
(後日談ですが、旦那様は当時のパンはあまり美味しくなかったのだとか…)
そして、さらに美味しく作るにはと探究心が開花して、発酵まではホームベーカリーで行い、自分で成形し、いよいよオーブンで焼くことを始めます。
そうなると、もっと様々な種類のパンを焼いてみたいと思い、パン教室に通い始めました。
市販のイーストだけでなく、ホシノ酵母などの天然酵母でもパンを焼くようになります。

ぱんのいえ かむの薪窯に並ぶパン。
『パン屋になるための修行と涙の日々』
やがて、旦那様の転勤で加須市に引っ越してきたことを機に、近所のパン屋でアルバイトを始めます。最初は個人店でパンの販売を、そして、次に勤めたチェーン店ではパン作りの各工程を仕事にすることになりました。
大型オーブン、捏ね機、発酵機、たくさんのパンのレシピ…すべてが新鮮で、仕事が終わり帰宅すると、パン作りの復習をする日々が続きました。
しかし、何故か昌さんの心は次第に擦り減っていきます。
「販売担当の日、朝一番の仕事は前日に自分が作った売れ残りのパンを廃棄すること。
…パンはたくさんの種類と量を作り、買い手が常に選べる状態でなければ、売れないので…。」
小麦を作る農家、製粉、物流、酪農、様々な人の想いが繋がって、最後に作り手が気持ちを込めてパンを焼く。
そんなパンをゴミ袋にぎゅうぎゅうに詰める作業は、パン作りが大好きな昌さんにとって、とても残酷なことだったのです。

「ぱんのいえ かむ」で焼き上がったパン達。
『薪窯のパン屋とドリアンパン学校』
パン屋で働き始め数年が経った頃、パンへの探究心が膨らむ一方でどこか落ち着かない日々が続いていました。パン屋を自分でやってみたいけれど、本当にできるのだろうか…借金を抱えてまで開業したいのだろうか…自分の気持ちが本当はどこにあるのか、昌さんは分からなくなっていました。
そんなある日、YouTubeでふと目にとまったのが京都にある薪窯のパン屋の動画でした。
薪割りの仕事から始まったその動画は、薪を焚べて窯を温め、丁寧に仕込まれたパン生地を、一つ一つ薪窯で焼き上げていくというものでした。
まだ暗い明け方、聞こえてくるのは薪がパチパチとはぜる音。
黙々と生地や火加減と向き合うパン職人。
焼き上がったパンを、のんびり里山の景色を見ながら待っていた近所のお客様に手渡し、また次のパンを窯に入れる。
ゆっくりと、丁寧に繊細に。
動画を見終わった後、昌さんの目には涙が溢れていました。
…私がやりたかったことは、これなんだ!

ぱんのいえ かむの薪窯の煙突。
それから全国各地の「薪窯のパン屋」の情報収集をするようになった昌さんが辿り着いたのが、
広島にあるパン屋「ブーランジェリー・ドリアン」の店主、田村陽至さんの『捨てないパン屋』という本でした。
田村さんは、消費者目線での大量生産や店舗営業の考え方を改め、人間本来の豊かな生活に立ち返り、薪窯で限られた種類のパンを丁寧に焼いて、廃棄しないパン屋を大成功させていました。
昌さんは、点と点が繋がり一つの線になったのを直感します。
そして、田村さんが開講していたドリアンパン学校に出願し、入学課題を提出しました。
「ここに受からなかったらパン屋の夢は諦める覚悟でした。」
そんな想いが実ってか、見事、ドリアンパン学校に合格し、パン作りやそこから派生する東洋医学、パン屋開業へのコーチングなど、学びの時間が始まりました。

ドリアンパン学校の研修中に仲間達と焼いたパン。
『サワードウとの出会い』
時をほぼ同じくして昌さんはまた奇跡的な出会いを果たします。それは、現在、ぱんのいえ かむの全てのパンに使われている「サワードウ」という発酵種です。
「実はパン作りは大好きだけど、甘いパンを食べるのは苦手で、パンよりお米の方が好きだったんです。」
パン屋開業への気持ちが膨らむ一方で、自分の苦手なパンを売ることへの疑問や葛藤もあったという昌さん。
しかし、そのモヤモヤとした気持ちは、サワードウで作ったパンを食べてから、その魅力や美味しさで一気に晴れ渡ります。
「このパンなら自信を持ってお客様に美味しいパンだと勧められる!」

ぱんのいえ かむのパンはドリアンパン学校から受け継いだサワードウで焼かれている。
世界最古の酵母とも言われているサワードウは、小麦と水、そしてその土地に元々ある乳酸菌等から作られるとてもシンプルな酵母です。
少し酸味があるパンになるのも特徴で、乳酸菌の力で冷蔵で1ヶ月も日持ちし、焼き立てより、1〜2週間後の方が味わい深くなるのも驚きです。
添加物や保存料が何も入っていないのに、乳酸菌の力でこれ程まで保存が効くのは、
古代からヨーロッパでは、パンは日常の保存食として扱われていた経緯にも繋がっているのでしょう。
また乳酸菌は、腸内環境改善や、グルテン分解、ミネラル吸収を高める働きもあり、
老化防止やグルテンに敏感な方にもうってつけのパンなのです。

パンの他にサワードウを使って焼かれたスコーンも人気。
『夫婦で作った薪窯「すーちゃん」』
奇跡の出会いを果たした昌さんの前には、パン屋開業への道が一気に開かれていきます。慣れない助成金の申請や工事会社さんとの打ち合わせ等やる事は盛り沢山にあったものの、
自宅にお店を作ることを決めてからは、ものづくりが好きな旦那様の力も借りて、夫婦でこつこつ日曜大工を始めました。

ウッドデッキを夫婦で解体し薪窯を作る準備。

夫婦ではった芝生も剥がしていきます。
改装工事に終わりが見えた頃から、工房の最重要ポイントである、薪窯作りが始まりました。
限られた予算の中、煉瓦の値段も高騰していて頭を抱えましたが、縁あって陶芸教室の使わなくなった穴窯煉瓦を譲り受けることになりました。

解体前の陶芸教室の穴窯。

昌さん達が解体し、陶器からパンを焼く役割に生まれ変わる前の煉瓦達。
そして、夫婦で煉瓦を積む作業が始まりました。

煉瓦を切る昌さん。

なんと、薪窯の設計は旦那様♪

アーチがうまくいかず作り直すことに…。
小さなピザ窯を作ったことはありましたが、その何倍もの大きさの薪窯づくりは、一筋縄ではいかないことも沢山あったそうです。
けれども夫婦で試行錯誤しながら、暑い日も寒い日もこつこつ作業を進めていきました。

完成が見えてきた!?
そして、2025年の夏から始まった薪窯作りは、
2026年1月1日、ついに完成しました。

向き合う度に「素直に」応えてくれる薪窯。愛称は「すーちゃん」。
『ぱんのいえ かむのパン』
昌さんの焼くサワードウブレッドは、持ってみるとずっしり重く、普通のパンの2〜3倍の重みを感じます。卵が塗られたつるっと滑らかなパンとは違い、手触りはザラザラごつごつ。
ひと噛みで飲み込める柔らかいパンとは違い、しっかり奥歯で何度も噛まなければなりません。
乳酸菌の影響で酸味を感じるパンがほとんどで、
普段、スーパーやコンビニの菓子パンや惣菜パンを食べ慣れている方が口にすると、少し戸惑うかもしれません。
しかし、昌さんのパンは、国産の小麦粉が贅沢に使われ、芳ばしく焼かれたクラストは噛めば噛むほど味わい深く、口の中で小麦の旨味が溢れてきます。
ゆっくりと、ずっと味わって噛んでいたくなるのです。食べていてこんなに楽しいパンは他に無いでしょう。
そして最後に、棘のない優しい味わいが広がり、身体が綻んでいくのを感じるのです。

ぱんのいえ かむの屋号は、しっかりと「噛む」ことで味わってほしいとの想いから名付けられた。
添加物や保存料は入っておらず、サワードウの乳酸菌パワーで身体にとても良く、
何より毎日食べても飽きが来ない、正に主食となる食事パンなのです。
「かむのパンを買いに来る前に、パンに合うスープを仕込んできたというお客様もいました♪」
また、昌さんのパンは単体でも味わい深いですが、様々な食材と合わせることで、一段と魅力的になるのも特徴です。

お店のInstagramではパンの美味しい食べ方を紹介している。こちらはロブロ。

カンパーニュとビーツやハムのサンド。

レザンとチーズの組み合わせ。お客様が教えてくれたカリカリトーストに。
現在は月に数回の予約販売でパンを焼き、
ひとりひとりのお客様に丁寧にお渡ししています。
予約方法とメニューはこちらから。
『つなぐ、めぐる』
数年前、涙を流しながらなりたいと願ったパン屋のかたち。今でも自分の道が心配になったり迷うこともあるという昌さんですが、
お客様がパンと食材との組み合わせや美味しかった食べ方を共有してくれたり、家族でパンを囲んで会話が弾んだと話してくれたり、
かむから旅立ったパン達が、お客様とその先にある豊かな時間を繋いで、またかむに帰って来てくれる、
それが、昌さんの背中を押してくれているのです。
そして何より、いつも近くで昌さんを助けてくれる旦那様が、今の昌さんが焼くパンが一番美味しいと言ってくれるのだそうです。

ぱんのいえ かむの開店日、昌さんと旦那様。
そんな、ぱんのいえ かむのパン。
是非、たくさん方に噛む幸せを味わってほしいです。
=SHOP DATA=
【ぱんのいえ かむ】
店舗住所 〒347-0042 埼玉県加須市志多見1062−3
営業日 主に予約販売(当日販売分は少数)
Instagram https://www.instagram.com/pannoiecome_nicoannsun
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WRITERこの記事の投稿者
子ねずみ
なんて夕陽がとても綺麗なところだろう…
加須に来て最初に思ったことです。小さな子ねずみの視点で気づいた加須の魅力をたくさんお届けできたら嬉しいです。子ねずみですが、猫がすき。パンとチーズも大好物♪